毛柄(コートパターン)も体内色素の変異から現れることを考えれば、同じく体内色素の変異により現れる毛色と区別して考えるのは合理的ではないような気がしますが、 とりあえずここでは海外ブリーダーの分類に沿って説明を進めていきます。
Mottled
斑紋模様 パイド(Mi/+)
この遺伝子を持つと体に白い斑紋模様が入ります。
個体によっては白い体に地色の斑が入っているように見える場合もありますが、遺伝的には白い部分が班の部分となります。
片親が斑紋模様を持つ個体であれば、確率的に生まれてくる子どもの半数は同じく斑紋模様を持つ個体となります。
実はこの遺伝子は不完全優性であり、劣性致死遺伝子(プラチナの場合と異なり、とりあえずホモの子どもも生まれてきますが、生存能力にかけるため生後2週間足らずでほとんど死んでしまう)でもあるため、斑紋模様を持つ個体同士のペアリングはお薦めできません。
(キャンベルハムスターでもシリアンハムスターでも斑紋模様が目に当たると、目の色素も減少します。時々オッドアイのハムスターが出るようですが、すべて斑模様の個体なのではないでしょうか。)
≫関連;パイド劣性致死遺伝 backPlatinum
プラチナ(Si/+)
被毛を毛先から白くする働きをします。プラチナは被毛本来の色を変化させるのではなく、毛先から白くする為、パイドと同じくパターン遺伝子に分類されます。
優性遺伝ですが、劣性致死遺伝子であるため、プラチナ同士をペアリングするとプラチナ遺伝子がホモ接合となった子が胎内で死亡してしまうので、1回に生まれてくる子どもの数が少なくなるとされます。ダイルート遺伝子と共に働くと、ほぼ全身が白いハムスターとなります。
…ということになっていますが、BEW(ブラックアイドホワイト=ダイリュートプラチナ)の遺伝の仕方を見ていると、はたしてこのプラチナと関係があるのかはなはだ疑問に思われます。
また優性遺伝とされるには、繁殖結果では他のメンデルの法則通りに出る遺伝のものとは異なっているように見えました。
Dilute Platinum : Black-Eyed WhiteもしくはRed Eyed White(Pink Eyed White)
左の写真は見つけられた当初ダイルート(ダイリュート)プラチナと呼ばれ、今はブラックアイドホワイト(BEW:意味はそのまま黒い目に白い体の子)と呼ばれることの方が多い毛色(毛柄)の個体です。
WW(ジャンガリアンハムスター)におけるパールとよく似て、優性遺伝にて体を白くする働きが遺伝します。
海外のブリーダーサイトにはプラチナ遺伝子と他の体色を薄くする働き(Dilute)をする遺伝子が共に働いてこのように真っ白な体になると書かれているようですが、これは証明されていませんし、そもそもプラチナ遺伝子と共に働くとされているもう一方の‘Dilute遺伝子’なるものが見つかっていないことに注意してください。
イギリスでBEWがペットショップの店頭に並んでいるのを見つけそれをDilute Platinumと名付けたのはLorraine Hill女史でしたが、アメリカのCRITTERS USA 1997 ANNUAL誌上で合衆国のブリーダーTina Bolton女史がキャンベルハムスターの毛色の紹介としてJim Wildschut氏が作出したWW(ジャンガリアン)のパールにとてもよく似ているキャンベルハムスターのPearl(パール)と紹介されています。
Tina Bolton女史に問い合わせたところ「イギリスでDilute Platinumと名付けられた毛色とアメリカのキャンベルのPearlが同じ毛色かどうかは分からない(見かけがよく似ていても別の遺伝要素によるものである可能性も考えられる)」と返事をくださいました。
それから数年…インターネット上でアメリカで一番有名なハムスターブリーダーであろうLinda Price女史のサイトでは“Dilute Platinum Dwarf Hamsters Sometimes called black-eyed or red-eyed whites”としてイギリスのLorraine Hill女史の記述に沿った説明がなされています。
しかし繁殖結果から考えて、これはTina Bolton女史が最初に記述した通りWW(ジャンガリアンハムスター)のパールと同等のキャンベルのパールと考えた方がしっくりすると思います。
野生色やオパールなどの目の黒い個体がこの遺伝子によって白くなった場合にBlack-Eyed White(BEW)、対してアルビノイエローなど目の赤いタイプが白くなった場合にRed-Eyed White(REW)と呼ばれます(※The Complete Hamster Site内でLrraine Hill女史はPink Eyed Whiteと表記していました)。
Red-Eyed White(REW)は外見がアルビノと見分けがつかなくなる可能性が大きいので、繁殖をしていく上で最新の注意で系統管理をしていく必要があるでしょう。
Mottled
どの毛色の個体であれ、この優性遺伝子を持つと、体に白斑模様が入ることになります。
地色(元々の毛色)と白斑の色の比率は様々で、白い体に地色の斑紋があるように見える個体もいます。
しかしどの場合でも必ず頭頂部に地色の斑紋模様が入るようです。多くの場合は頭部、背中、臀部部分に地色の斑紋模様が入ります。
たまに斑紋模様を持つかどうか判断に迷う個体が生まれることもあります。見かけはまったくの野生型であるのに、お腹に白斑模様を持つ個体なども存在します。
キャンベルのパイドは致死遺伝なので、パイドかどうか迷う個体の場合、繁殖をする際の組み合わせには十分注意を払いたいものです。
毛色等の遺伝情報を取り扱うハムスターサイトでは、N-パイド(普通のパイド)と致死遺伝であるR-パイド(赤目パイド)に分けて表示している場合が多いようです。
しかしブリーダー有志の調査では今に至るまで致死遺伝ではないN-パイドの存在が確認できませんでした。したがってこのサイト内ではキャンベルのパイドは致死遺伝であるパイドのみであるとします。
≫関連;海外の見解
キャンベルの斑紋模様は遺伝子記号Miで表される小眼球症(Microphthalmia)遺伝子によって引き起こされます。
斑紋模様を持つ個体の地色は、元々の毛色を持つ個体よりも少しばかり毛色が薄めになるようです。
また斑紋模様を持つキャンベル(キャンベルのパイド)の目の色は光線を当てると赤みがかって見える場合が多く、時には左右の目の色合いが異なって見える個体に出会うこともあります。
元々赤目であるイエローなどの場合は、斑紋を持ってパイドになると、目の色もパイドでない個体よりも目の色が明るくなる傾向にあるようです。
この遺伝は斑紋模様の遺伝に関しては優性なのですが、実はやっかいな事にこれを父母からそれぞれ受け継いでホモになると生存能力に欠ける子どもが生まれてしまう劣性致死遺伝でもあります。
したがってキャンベルの体に斑紋模様が現れる時は、その個体の持つMi遺伝子は必ずヘテロ接合Mi/miの形を取っているということになります。
Mi遺伝子がホモ接合してMi/Miとなると、その個体はヘテロ接合Mi/mi(あるいは野生型mi/mi)の個体よりも体が小さく、眼球の形成が不完全、あるいは欠損しており、門歯のない生存力に乏しい全身真っ白なハムスターとなります。
この遺伝を調べた学術論文によれば、ホモパイドの骨格は矮小発育症を示し、頭蓋骨や肋骨に異常な部分が認められるということです。
生存力に欠けるホモ個体は大体生後3週間以内にほとんどが死亡します。
まれにそれ以上の期間を生き延びる事ができた個体でも不妊の為、子孫を残す事は出来ないということです(だからホモパイドを作って子ども全部をパイドに…という事は出来ません)。
以上の事を念頭において、斑紋模様を持つキャンベル・パイド同士の繁殖を避けることをお薦めします。
Platinum
毛色を先端から白くさせる働きをする優性遺伝…とされています。
本来の毛色を変化させるわけではないのですが、毛先から白色化する為、結果として毛色が薄まったように見える場合もあります。
この遺伝がメンデルの法則ですっきり説明できなくても、左の画像のように白色化する個体は出てきます(出やすい家系とほとんど出ない家系があるので、やはり何らかの遺伝には関係しているとは思われます)。
この白色化の程度は幅が広く、子ハムの時よりかなり白い個体、月日の経過につれて全身が真っ白になるほど白色化する個体などがいます。
繁殖例の多い欧米ではプラチナ遺伝子は劣性致死遺伝であると報告されていて、ホモの子どもは胎内で死亡し母胎に吸収されて生まれ出ることはないので、プラチナ同士のペアの間には1回で生まれてくる子供が少なくなる傾向にあるとしています。
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