おもしろ半分、またはただやってみたかったからなどの興味本位や、自分のもの・所詮里子には出さないし他人は関係ない個人の問題などという自己中心的甘えがあるうちは、ブリーダーとは呼ばれません。 もちろん愛好家とも呼べません。ただ繁殖したいだけの悪質なマニアです。
ハイブリダイゼーション――ハムスターの交配において、ドワーフのウィンターホワイト(ジャンガリアン)とキャンベルはしばしば交雑させられています。し
かしながらこの行為はまったくもって無意味です。
なぜならハイブリッドは雑種だからです。それ以上でも以下でもない。日本で売られているハムスターには血統書というものがまだ存在しませんが、ウィンター
ホワイトでもなければキャンベルでもない、ジャンベルだとかキャンガリアンだとかヘンテコな名前をつけて持て囃すのはいかがなものでしょうか。繰り返しま
すが所詮雑種は雑種、けっして新種ではないのです。
通常、雑種動物を作る場合は、種の違う個体同士をかけ合わせる「種間雑種」と、同じ種をかけるあわせる「種内雑種」があります。種間 雑種は「ライガー」や「レオポン」などがそうです。種内雑種は畜産などの産業分野で頻繁にみられる、ある種のもつ特性を違う種に移行させることでより良い品種を作り出す雑種強 勢という技術です。しかし愛玩動物のハムスターにおいて、わざわざそんなことをする必要があると思いますか?
昨今日本の至るところで生態系破壊や遺伝子汚染という言葉がささやかれています。世間一般の広い意味では賛否両論ありますが、ことハムスターのブリーディ ングに関しては決して推奨するべきことではないと言われています。なぜなら素人が安易で軽率な交配をした結果、今でなくても未来に何らかの弊害が起こりうるからです。
交雑による雑種の発生は、しばしば遺伝子汚染と称されます。
遺伝子汚染は、既存の種が人為的(地理・地域的要素ではなく、ひとがその手でもたらすという意味)に他の種と交雑した結果これまでに自然には存在していな
い種を発生することから始まります。アフリカンシクリッド、タイワンザルとニホンザル、コウライキジとニホンキジ――危険な事例も多くなってきました。
ウィンターホワイトとキャンベルは身体の機能が微妙に違っています。それは生息地の条件下に順応した進化をしてきたためです。ジャン ガリアンとキャンベル の絶対的な違いである冬毛は、ジャンガリアンがウィンターホワイトという種名になった所以でもあります。冬毛はキャンベルのものではありません。こういっ た長い年月をかけて形成されてきた種のもつ特性を無視し、自分たちの都合で踏み躙ってはいけません。
またある病気に対してまったく無抵抗になったり、先天的に何らかの障害をもつ血族列ができたりします。これが深刻化し、今もっとも危惧されているのは「絶 滅」なのです。なんらかの条件(ウィルス、先天的な障害、病気)下になった時、同じ遺伝子をもつ種はすべて死に至ります。品種を追求したことで遺伝子の多 様性がなくなり淘汰されてしまうと、このような危機が生まれるといわれています。
そもそもウィンターホワイトにはウィンターホワイトの、キャンベルにはキャンベルの、おのおの違った魅力があるはずです。ウィンターホワイトにキャンベル のカラーを移行させたい、おとなしく慣れやすいキャンベルにしたいなどという目先だけの浅はかな考えは、彼らの個性を無視することだと思われます。そして 種の保存という大きな観点から考えても、交雑種を作り出すことは好ましくないといえます。
以上のことから、現在利便的にハイブリッドと称されている雑種ドワーフは、繁殖には最も適さない個体といえます。
私ひとりくらい…だとか、新しい種類が増えるんだからいいじゃないかという誤解(または自己中心的甘え)のもと安直に行動してしまう困ったブリーダー気取りさんもいるようですが、真似てはいけない。もちろんハイブリッドだったらハイブリッドと交配させればいい、というのも屁理屈です。
はじめに
各ハムスターについて
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