ここでは海外ブリーダーの基準で「パターン(模様)」とされるものについて説明します。
毛色に関係する遺伝子の変異によって体の色が変化するわけですから、毛色の変異の内どれが
「コートカラー」でどれが「コートパターン」と分類することはあまり意味がないように思えます。
しかしもしあなたが海外に住んで将来的にハムスターショーに出たいと思われるかもしれないので、
海外ブリーダーの考えにそって説明すると「元の毛色が分からなくなるもの=コートカラー」
「元の毛色が分かるもの=コートパターン」ということになります。
だから「体はほぼ白くなるけれど、チップ(毛先に残っている色)で元の毛色が分かるパール」は
パターンに分類されるというわけです。だから日本の多くの愛好家が求める出来るだけ真っ白なパールは
海外基準だとミスカラーになり、元の色がはっきり分かる黒っぽいパールの方があちらでは評価されるということになります。
パール Pe/-(pearl)<※仮記号
優性の突然変異遺伝子により体毛が毛の根本より白く変化する柄(パターン・模様)とされています。
目の色は黒色です。
元々の毛色がパールの毛先に残る形は千差万別で(そしてこれがパターン遺伝子であるという根拠にされている)、同じ毛色のパールであっても、誤解されてパールとスノーホワイトの様に異なるインボイスをつけてペットショップ店頭に並べられることも珍しくないようです。
パールが半致死であることを示すような繁殖結果もあるので、繁殖する時にはパール同士の組み合わせは避けた方が無難かもしれません。
※なおここで使用しているPeという記号は有名なイギリスのハムスターサイトPet Web Site(旧The Complete Hamster Site)で使用されているものをそのまま使用していますが、調べてみるとこの変異は実際は(遺伝研究が進んでいるマウスで知られる)pearlではないようです。したがってこのサイト内で使用している遺伝子記号Peはあくまでも仮の記号であるということにご留意下さい。
インペリアル Wh/-(white)
優性の突然変異遺伝子Whにより体毛が薄く変化、特にお腹の色が真っ白になることが特徴です。
ただしこのお腹の白さは、十分に成長していない段階ではなかなか判別つきがたく、また不完全に冬毛になっている個体もお腹が白いので、インペリアルと野生色を取り違える可能性もあります。
致死遺伝であるので、特にある程度の数の産仔数を期待して繁殖する場合はインペリアル同士の組み合わせを避けた方が無難です。
インペリアルの場合、お腹が白い以外に背中側の被毛の色も薄くなる傾向があるようで、それらはスモークと呼ばれることもあるようですが、日本のペットショップではほとんどの場合お腹の白い個体とそうでない個体は区別されていないと思われます。
パイド
パイドは様々な毛色に白い斑模様を生じさせる突然変異遺伝子でシリアンやキャンベルに存在します。
マウスなどでは斑紋模様を生じさせる突然変異遺伝子が複数知られています。
2000年頃から流通し始めたウィンターホワイトのパイドはウィンターホワイトの特徴を備えるものが多く、また柄の出方もキャンベルのパイドと異なるように見受けられる個体が多いです(もっともパイド模様の出方は個体差があり、すべてが同じ毛柄であるというわけではありません)。
いくつかの繁殖結果によればこの斑紋遺伝子は劣性での遺伝を示しているようです(ただすっぱりメンデルの遺伝の法則に当てはめられるきれいな形で出ているわけでもなさそうな感もあります)。
※)ただし市場に出回っているいわゆる“ジャンガリアンパイド”の中には優性であるキャンベルのパイド(こちらはきれいにメンデルの法則に当てはめられる優性遺伝)を異種交配により無理にウィンターホワイトに移したのではないかと思われる個体もいるため、注意が必要です。
ウィンターホワイトのパイドには、野生色、サファイア、プディングの各毛色のパイドが存在します。
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