ハムスターの寿命は短く、安全な繁殖を行なえる時期は限られています。
個体差はあるものの成熟してくる二月齢目すぎから10月齢目、せいぜい1歳までが母子ともに安全である限界と思われます。次の出産まで十分なスパンを持たせるとして、あえて回数にするとしたら3、4回というあたりでしょう。丈夫な個体だとしても無理をさせてはいけません。
母ハムスターは子供を産み育てるたびにダメージを受けます。
そのため、くれぐれも後追い妊娠(出産のショックで発情し交尾してしまう)を避けるよう配慮が必要です。特にオスと多頭飼いをしている場合は注意が必要に
なります。妊娠から出産、子育て期間は普段よりもデリケートになっているのでトラブルが起こりそうならば他の成熟したハムスターとは引き離しておくほうが
安全かもしれません。
またドワーフなどは母乳を必要としなくなっても子供はいつまでも母親の乳にぶら下がっていたり、母親のほうもどんなに大きくなってもかいがいしく世話をや
くケースが見うけられます。しぐさとしては愛らしいのですが、子供たちの体毛が生えそろい、目が開き、頬袋を使い親と同じような食事をとるようになった
ら、そろそろ巣立ちのころとなります。
台としての母親が出産を終えて、肉付きや体重が交尾前の健康体へと完全にもどり、かつ後天的疾患がみられないようであれば、また繁殖計画が可能となります。
ブリーディングに関して、意識していきたいことのひとつが系統(血族)の維持です。
スタンダードを目標としない繁殖(血統を無視する繁殖や純血種を雑交配に使うなど)は、産まれてくるハムスターだけでなく、受け継が
れていく血筋の将来を明るくするものとは残念ながら言えません。しかし例えばあなたが繁殖に適した純血種(族)を飼っているとしても、それだけの理由のみ
で繁殖をしたいと思うのなら、立ち止まってもう一度よく考えて下さい。純血種だから繁殖しても大丈夫と述べてきたのではありません。
自分のハムスターの子供がみたい、いっしょに暮らしたいという理由には共感できます。しかしながら遺伝やブリーディングについての正しい情報・知識がなけ
れば、健全な血統を作り上げられないのです。
また、もしもあなたがこれまで気に入ったハムスター同士を交配させるというだけの繁殖をしていたのなら、このあたりでそろそろ種とい うものについて意識してみませんか。ひとつの命に対してだけでなく、属種全体に対して本当に責任が持てるのかどうか、自分自身でよく検討してみましょう。 自分だけは大丈夫などと考えているようではやはり向上されません。
ブリーダーは自分を最も厳しく戒め、ショップに卸すにせよ個人宅へ引き渡すにせよ、良質を目指しています。そうすることが国内繁殖の良質化につながるから です。そして、何度も申しますが里子を出すという行為を行なう以上は、だれもがブリーダーであるのが望ましいのです。
ブリーダーは自分を最も厳しく戒め、ショップに卸すにせよ個人宅へ引き渡すにせよ、良質を目指しています。そうすることが国内繁殖の良質化につながるから
です。そして、何度も申しますが里子を出すという行為を行なう以上は、だれもがブリーダーであるのが望ましいのです。
交配には3通りの方法があります。
■インブリード[inbreed](クロス)
同一の祖先をもつ同士の交配のこと。
つまり近親交配のことです。より密接であること、お互い同じ種の血族内で繁殖することが定義になります。ペアリングは、兄弟/姉妹(最も近い形式)、父/
娘、母/息子 あたりに相当します。
望ましい特徴(両親の特徴)のために純粋な子を作ることを目的とし、形質の強調をします。しかしながら濃い(近い)インブリードは、形質強調の反面悪い遺
伝子を固定化する恐れもあるので、体質の弱い個体や生殖能力が劣る個体が生まれやすくなるというデメリットがあります。
■アウトブリード[outbreed](アウトクロス)
同一の祖先をもたない同士の交配のこと。
近親交配に対して異系交配と呼びます。ペアリングは他血族ハムスター同士です。
インブリード、ラインブリードに比べて遺伝的なデメリットは軽減します。しかしながら形質については予測するのが多少困難になります。そのためペアリング
の相手を良く見極め選ぶことが必要になります。
■ラインブリード[line breeding]
系統内での交配のこと。
同種異系繁殖とも言われます。インブリードが近い世代の血を交ぜるのに対し、ラインブリードは遠い血を重複して交ぜます。
ペアリングは、両親と兄弟以外の親戚を含んでいることを条件とし、祖父/孫娘、祖母/孫息子、孫息子/孫娘、曾祖娘/曾祖息子、叔父/姪、叔母/甥、甥/
姪、いとこ同士になります。馬などとちがってハムスターの場合は半兄弟(腹違い)/半姉妹(腹違い)もラインと考えてもいいのかもしれません。
アウトブリードよりも資質強化が顕著であり、健康面もインブリードよりは不安が少なくなります。このラインブリードをつかうのがもっとも難しくないでしょう。
インブリードなしでは望ましい特徴を備えた個体を産出するのは困難ですが、度が過ぎると遺伝的疾患の確立がなされる恐れがあります。
アウトブリードだけでは健康な個体が産出できるものの形質の産出が遠のきます。ラインブリードは遺伝的弊害は遠くなり、望む表現型がいくらか産出し易くな
るものの、世話をしていく(繁殖のために育てる)ハムスターがどんどん増えてしまいます。それぞれのブリーディングには長所と短所があり、一概にこの方法
がベストと言い切れるものではありません。しかしながら系統を維持するにはこれらを賢く使い分けなければなりません。
近親での交配が及ぼす悪影響を回避しつつ毛色・柄・質および個体性を子々孫々と維持していくのは想像するよりも難しいことです。ですがひとりでは複数のラ
インを飼っていくことが難しくても、元親または同じ元親をもつ里親同士、友人知人らと協力して可能にすることもできます。
生命に関わる問題ですので思考錯誤してからではすでに遅くなります。今の自分の持っている環境にそった繁殖方法を考えてから繁殖行動をはじめてください。
(*絶対にこの文章を読んだだけの知識で繁殖を行わないで下さい。何らかの異常が発生しても
当サイトでは一切責任は負えません。)
どのような動物のブリーダーでも、技術に関して公開できるのはここまでです。具体的なライン作りやカラーリングに関するペアの選び方
などの繁殖技術は、顔の見えない大多数に公開することはありません(そんなことをするブリーダーは、自分の情報について無責任です。単なる”バックヤード
ブリーダー増殖家”です)。
良いブリーダーに関する情報を集めて、そのブリーダーを訪ね、自分からすすんで学ぶという姿勢をブリーダーは心待ちにしています。
はじめに
各ハムスターについて
FireFoxを 推奨します。
FireFox 2.0, IE 6 or higher
Screen 800×600
font size 12pt.
このサイト内の画像および文章はCherry Field Worksに帰属します。
© Cherry Field Works 2001- All rights reserved.SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||