実際にペットショップにハムスターを卸しているブリーダーは、繁殖や飼育についてどのようなことを思い、実行しているのでしょうか。
商業性をもつブリーダーは、自己規制や基準がより高くなければならないために、当然家で趣味で繁殖していたら増えたからお店で引き取ってくれるとラッキーというレベルではやって行かれないものです。
ハムスター養殖にはファームとブリーダー、単純化して線引きをすると主に2つの形態があります。
ファームというのは、日本語で訳せば牧場という名の示すとおり言うなれば大量生産工場のようなものです。
対してブリーダーというのは系統、毛色、体形などの品質を重視した繁殖を行うので職人といったところでしょうか。
このような市場原理のもと、自分でもまったく意識もしないうちに、「安ければ安いほどよい」とする消費者は「質は関係ない」仕入れ値が安いファーム産を仕入れているペットショップのハムスターを、「よりスタンダードに近い品質管理された個体が欲しい」と思うひとは高額でもブリーダーと提携しているペットショップからブリーダー産の個体を買うことになるかもしれません。
実は爬虫類、魚類の業界ではこの考え(価格差が品質差)は定着しています。つまり意識的に使い分けられています。しかし小動物業界ではまだまだここまで考慮する消費者が少ないために表立っていないようです。
個体の一生をトータルで考えてみれば、ファーム産とショップブリーダー産の価格に大差はほとんどないと考えて間違いはありません。
店頭価格の差はつまり品質の差です。
愛玩用としてきっちり最初から最後まで飼うとすれば、健康、血統が徹底的に管理されているブリーダー産の個体のほうが、獣医のお世話になることも少ないし、理論的には長生きするので利点は多いと言われています。
まずは、基礎的な遺伝の勉強をして、計画的、効率的に「出したい品種をだす」だけの知識を取得しなければなりません。 その後、品種改良の元にしたり、系統維持するに値するクォリティの高い個体を見抜いて入手しなければなりませんのでたくさんの個体をみて、品質を見抜く目を養うことが大事です。
ブリーダーのブリーディング
良い個体とそれなりの知識が準備できたらブリーディングを始められます。
ただし、ブリーダーとしてショップに売り込めるのは自己品種を作り出し、繁殖ラインを整えた後です。もちろん法律上決められた届け出も済ませましょう。
失敗した場合を考慮して、「安定して供給を行えるが、スポンサーが見つからない場合はいつでも辞められる」状態を整えることが必要になります。
常に1ヶ月分弱の在庫の個体、繁殖用の個体、ラインブリーディングを続けるための個体は用意しておきましょう。
これらを管理、維持できないのであればショップと提携していけるブリーダーにはなれません。あらかじめ他にブリーダー仲間を作っておき、そちらに遺伝子を分けておくことで、自分の手持ちの個体にもし何かが起きたときに備えておくこともオススメします。
自分が作出した個体がショップを経て消費者に買われ、飼育されるという原点を忘れてはなりません。
それだけに在庫の個体、繁殖用個体にはシビアに接しなければいけません。最終的にどのような環境で飼われるかがわからないだけに、比較的厳しい環境で飼うことになります。
なるべく温度湿度管理はせず、餌も粗食(ペレット)に補助食程度。
その中で弱い個体を淘汰していかなければなりません。
特に夏場は熱中症で死んでしまう個体が1割ほどいます。死んだ個体を処理するのは決して気分のよいものではなく、できれば死なせたくはないのですが、後のクレームや信用問題がありますのでここは心を鬼にするしかありません。実際、冬場はヒーターを入れてくれる飼い主さんは少なくありませんが、夏場にハムスターのためだけにクーラーを入れる飼い主さんは少ないのです。
もし飼われている家で即死んでしまえば、ショップにクレームが行くでしょう。
「飼い方が悪くて暑さで死んでしまった」、つまり悪いのは無知な飼育者なのですが、それでも人によっては「弱い個体を売りつけておいて飼育者のせいにした」と解釈してしまいます。
そういう自体に備えて、明らかに弱い個体の間引きはもちろん、なるだけ強い個体を残し、繁殖に使うためのふるいは必要になります。
「種を愛して個体を愛玩せず。」
自分で設けた審査基準(=ブリーダーとしてのポリシー)に従い徹底的に間引きや選択を行う覚悟、愛好家には戻れない覚悟も必要です。
なにより、自分が管理している個体(商品)の安全を守るのは自分自身です。たとえばショップから弱っている個体や病気持ちの個体を「かわいそうだから」と持ち帰って飼育することはあきらめなければなりません。そして、多種の齧歯類を飼う場合にも獣医にての健康診断や検疫期間を守らなければなりません。
その上で自分の作出してきた個体に責任とプライドを持ちつつ、よりよい個体を作出することを常に目指すことができる人がショップと提携できるブリーダーとなるのです。
はじめに
各ハムスターについて
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