ペットショップと共に必ずハムスター愛好家によって槍玉に
挙げられる輸入業者、こちらの方は直に私たちの目に触れることが殆どないだけに、想像の働く余地も多大にあると思われます。
遠い外国からハムスターの様な小さな小動物を狭いコンテナにぎゅうぎゅう詰めにして運んで来た上、インボイスもいい加減につけて国内のペットショップに卸
している悪の組織的なイメージを持たれている方もいらっしゃるようです。
しかし実際にハムスターを輸入している会社を見学させてもらったところ、世間一般が抱いているイメージとは違った素顔が見えました。
セキュリティをはずして倉庫の中に案内されると、中は明るく、想像していたよりも清潔に保たれていました。中にいる動物はペット ショップよりも数が多いはずですが、さほど動物臭がしないのはきちんと換気がなされてるからでしょう。
シリアンハムスターは短毛と長毛に分けてケースに入れられていました。
日本に輸入されてくる時は短毛であるか長毛であるか区別されずに輸送用ケージの中に入れられているそうです。ペットショップに卸される際に長毛短毛は区別
されるのですが、毛色や柄模様、毛質に関しては特に注意されていないようでした。ハムスターの中で一番人間に飼育されている歴史が長いシリアンには様々な
毛色等が存在するので、それらを厳密に分けて管理する事は難しい事には違いないでしょう。
いくつかのケースの中にロボロフスキーの幼獣がこんもりと入っていました。
3番目のドワーフハムスターとして登場した当時、珍獣扱いであったロボロフスキーも今では割と普通にペットショップで見かけるようになりました。ハムスター愛好家や趣味ブリーダーのサイトにもロボロフスキーの繁殖記録はたくさんあると思うのですが、店頭に並べられているロボロフスキーはまだ輸入に頼って
いる状況なのでしょう。
キャンベルハムスターはブラックとパープルに分けられていました。
ブラックパイドについては『パンダハムスター』などと特別扱いされていると聞きますが、輸入業者のケース内では殊更パイドであるかどうかは区別されていな
いようです。
また、この日にはいなかったのですがキャンベルのノーマルやイエロー等その他の毛色は、区別されずに単なるキャンベルハムスターとして一括して輸入されて
くるとの事でした。
当然入荷と出荷の時期によって各ハムスターがストックされている割合は変動するそうですが、一番取り扱いが多いのはウィンターホワイトハムスターだそうで
す。
ウィンターホワイトハムスターは各種とり揃えられていました。まだ完全には全国的に出回っていないのではないかと思われるパイドジャンガリアンも数多く、
プディングやサファイア、パールも当然ながらそれぞれのケースの中に入っています。パイドは毛色別に区別されていませんでしたが、パイドだけでケースの中
に入れられていました。
何よりも驚いたのは多数のノーマルが複数のケースの中にいたことです。何故いまだにこんなに沢山の、もはや珍しくもなければ繁殖も容易であるノーマルが輸
入されているのでしょうか。これは国内にハムスターブリーダーが存在しない事を意味しているのかと、少し暗澹たる気持ちになりました。日本人にとってはま
だハムスターは海外から輸入し消費するだけの動物でしかないのでしょう。
ペットショップに動物を卸している業者のイメージとして、漠然と『大きなケージの中に沢山の動物が詰め込まれていてケージの中は汚れ放題』といった情景が
頭に浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。
しかしこの会社の飼育場は明るく、ネガティブなイメージはありませんでした。
見学させて頂いている間も、職員の方々が各ケージの内外を掃除されており、手入れが行き届いているペットショップと同じレベルにあるだろうと感じました。
更に取り扱う動物に触れる前後にはきちんと手を消毒する設備も整えられているところはペットショップ以上に清潔であるとさえ考えてもいいかもしれません。
考えてみれば当たり前の事ですが、不潔にしておけば同ケージあるいは隣接するケージに病気が広まって中の動物が全滅する恐れもあるわけです。輸入業者の仕
事は、動物を輸入しそれを管理して"商品"になり得る健康な動物をペットショップに卸すことでなのですから、きちんと飼育管理する事は基本中の基本という
ことでしょう。
ペット業界で働くのは難しい事だと思います。少なくとも単なる動物好きというだけでは続かないでしょう。たしかに輸入されたばかりであろうトビネズミなど
のケージからいくつもの死体が抜き取られている場面などを目にすればショックを受ける人は多いだろうと思われます。実際、ベビーと呼んでいい程小さな幼獣
を遠路はるばる輸入してくる過程で失われる命は数多いのだとか。
もう少し成長した状態であれば死ぬ数を抑える事が出来るのだから、本当はもう少し成長した時点で輸入したいのです…と案内して下さった方はお話下さいまし
た。
しかし大多数の消費者が成獣ではなく幼獣、ベビーを好むという歴然とした事実があります。だからこそ海外のブリーダーから輸出業者、輸入業者そしてペット
ショップへと進む流れの中で、それらの各段階に望まれるサイズはどうしても決まってしまうのです。
ペットショップしかり、輸入業者しかり。
実情を知りもしないで「ペットショップが、輸入業者が…」と原因を他に求める前に、消費者という立場にある全員が考えるべき問題は数多くあるように思えます。
はじめに
各ハムスターについて
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