繁殖編〜キャンベルとジャンガリアン〜
出産・育児
出産
ジャンガリアンもキャンベルも交尾した日を1日目として数えると、18〜20日目くらいに出産します。ジャンガリアンで1〜10匹(5〜8匹)、キャンベルで1〜9匹(2〜6匹)の子供が生まれます。ジャンガリアンは産子数がキャンベルより多い傾向があるので出産前の体重もより多くなることが多いのです。
出産当日にメスは発情します。オスと同居している場合、特にキャンベルは殆どが出産と同時に妊娠してしまいます(後追い妊娠、連続妊娠)。ずっとペアで同居飼いしている場合、これを繰り返し、約3週ごとに子供を産み続ける(離乳と同時に次の子を出産する)ことになります。現実にはメスは自分の体力に合わせて出産を調整すると言われ、繁殖が可能な年齢の間毎月産み続けるわけではないようです。例えば2回連続で出産したら1月休み、また2回出産して… などと調節したり、育児ができないと判断した場合授乳しなかったり子供を食べたりします。
育児
育児で必要なのは母親の体力と栄養と静かな環境です。飼い主にできることは十分なエサと水を用意して、ハムスターの育児の邪魔をしないことです。
まれに育児の下手なメスがいて、飼い主の手助けが必要な場合もあります。育児についてのトラブルは「5.出産・育児のトラブル」にまとめました。
生後1日目
多くの母親は出産後は巣箱にこもり、なかなか姿を見せません。よく見ると床材や巣箱から見える巣材に血がついていることがあります。耳をすませるとピー、チー、キューというような鳴き声が聞こえます。
子供は毛がはえていなくてグミやポークビッツのような生き物です。この時からキャンベルは黒目か赤目かは区別ができます。
出産直後は育児放棄が最も起こりやすいときで、何が起きても飼い主はハムスターをそっとして邪魔をしないことしかできません。例えば産むそばから食べてしまったとしても、ハムスターにとってその行為が生きるために必要だったのだと理解して下さい。
左の画像は上から順に
3日目のキャンベルのブラック・パイド
同じくキャンベルのノーマル、イエロー、パープル
4日目のジャンガリアンのパール、サファイア
母親はときどきは巣箱の外に出てきます。
子ハムの鳴き声も少しずつ大きくなります。
毛が生える前にジャンガリアンなら背中のストライプが、キャンベルならそれぞれの毛色に合わせて地肌に色がついてきます。
この時期も育児放棄が起こりやすく、巣箱の外に子供が捨てられていたり、毎日1匹ずつ子供が減っていくなどの危険があります。
2日目にはほとんど分からない毛色が3〜4日目になるとかなり分かるようになります。
6〜10日目
母親も落ち着き、子供は段々と毛で被われてきます。この頃には将来の毛色がはっきりとわかります。
母親と同じ固いエサをかじる姿も見られるようになります。活発に動いて巣から落ちては母親に戻されることもあります。
子供が巣箱から出てくるようになります。
エサを食べたり、おしっこをしたり、よちよちと歩き回ります。ほとんどの場合、12日目にうっすらと目が開きはじめ、13日目にはパッチリとします。
この頃になればケージの掃除をしても大丈夫です。
13〜15日目
子供は活発に動き、給水器や回し車を使いはじめます。万一、母親と別れても何とか生きていけるくらいになります。
ハムスターには特別な離乳食は必要ありません。固形飼料や雑穀、野菜などをもりもり食べます。
もしも成長が遅いように感じられたら市販の小動物用ペットミルクなどを小皿に入れてあげても良いでしょう。
18日目(ジャンガリアンのパール、サファイア)
17〜21日目母親は子供を追い払ったり、別々の場所で寝たりするようになります。
子供は離乳をすませ、母親と別れてもいい時期になります。
もしも出産時に父親と同居していたなら、母親が次の子を出産する時期でもあります。
私はこの頃に巣分けし、まずは兄弟姉妹の群れでしばらく過ごします。
この頃には性別判定をすませ、里親さんとの打ち合わせを具体的に決めましょう。
もう里子に出せますが心配なら生後1ヶ月を過ぎるのを待ちましょう。ショップでは15〜21日目くらいまでの子を希望している場合が多いようです。
30日目
早い子だと性成熟して親子兄弟姉妹で妊娠してしまう場合があります(特に父親と娘)。この頃にはオスとメスと別々に飼うようにしましょう。
生後1.5ヶ月未満であれば同性同士は同居可能な場合がほとんどですが、2ヶ月齢を過ぎるとある日突然大ゲンカになって大変なことになる恐れがあります。
ジャンガリアンは腹部を噛まれたり足を骨折したり耳を食いちぎられたり、キャンベルは最悪の場合共食い(食殺)してしまう場合があります。
例外としてペアであれば生涯同居可能な場合もあります。またキャンベルの同性同士も生涯同居できる場合があります。